美しい寺・庭園で抹茶を。竹林・枯山水・紅葉・名建築を堪能

美しい寺・庭園で抹茶を。竹林・枯山水・紅葉・名建築を堪能

November 2022 Seasonal up date : 1

寺社を含めた日本建築の魅力は多々ありますが、中でも枯山水の庭園が好きです。
枯山水は水を用いず、岩・砂などで山水を表現した日本庭園の様式で
まるでリゾートのような開放感があってとてもリラックスできます。
そんな美しい庭を望んで、お抹茶とお菓子をいただく時間は
寺社・重要文化財の多い鎌倉らしい過ごし方。
今回は、美しい景観を楽しみつつお抹茶をいただける居心地のいい寺・日本庭園をご紹介します。

浄妙寺喜泉庵

じょうみょうじ・きせんあん

国の重要文化財・鎌倉五山の第五位。どっしりとした佇まいが魅力の浄妙寺。
そして、特筆すべきなのは境内にあるレストランとお茶処が群を抜いて素晴らしいこと。
イングリッシュガーデンとアフタヌーンティーを満喫できる石窯ガーデンテラス、お抹茶と和菓子を枯山水庭園と共に楽しめる「喜泉庵」。どちらもさりげないホスピタリティを感じ、鎌倉で最も好きな場所といってもいいかもしれません。
駅から距離があるので混みにくい立地、という事も快適な理由の一つ。
見事な紅葉は11月下旬から見頃を迎えます。

こちらのブログでは喜泉庵をご紹介しますが
石窯ガーデンテラスについては
鎌倉のアフタヌーンティーとデセールの3店」もチェックしてみてください。

大広間に広がるお茶席。椅子・テーブルの席は正座に自信がない人も安心ですが、
毛氈(赤い敷布)を敷いた畳に座るスペースもあり自由に選べます。
浄妙寺のは入り口。
木々に囲まれた緑の多い境内。
喜泉庵へ向かう道の途中に本日の干菓子と和菓子の見本が。
(6月に撮影)
靴を脱いで室内へ。奥にある竹を紐で括った置物は「結界」といって立ち入りを禁止する意味があり、動線を導くものでもある。
生菓子とお抹茶のセット1,100円。この日は夏メニューで冷抹茶。
水羊羹を半分いただいて。(8月に撮影)
アートのような石の配置の枯山水。白砂に描かれた砂紋は水の流れを表しています。夏は10:00~16:30、冬は10:00~16:00閉庵。

報国寺・休耕庵

ほうこくじ・きゅうこうあん

浄妙寺の道路を挟んで向かい側の小径を上がると、美しい竹林を有する「竹寺」として有名な報国寺があります。ミシュランガイドの3つ星を獲得。一度境内に入れば、別世界のように広がる青竹の空気感・清涼感に圧倒されます。
夏場は特にすっと涼しくなる気持ちの良さ。
足利家開基の由緒ある禅寺で枯山水の庭や竹林を静かに楽しめるのが魅力。
竹林の半ばにある「休耕庵」では美味しいお抹茶をいただきながら竹の庭を満喫できます。

圧巻の竹林。境内に入るのに400円、
お抹茶券600円を入り口で支払う。
ゆっくりと美しい遊歩道を歩いて竹林へ。
お抹茶はいつ訪れても美味しい。ふわふわと泡が立っています。
境内に入ってすぐの遊歩道。報国寺には数台ぶんの駐車場が。15:30のお抹茶の受付終了時間近くだと茶処も空いていておすすめ。

一条恵観山荘・かふぇ楊梅亭

いちじょうえかんさんそう・かふぇやまももてい

皇族の血筋で摂政と関白を務めた一条恵観の別邸の離れを京都から移築、江戸初期の朝廷文化を今に残す国の重要文化財。同時期の建築としては桂離宮があります。里山に溶け込む野趣に富んだ設計・雅な意匠が施された室内は手入れも行き届き、なんて粋で気持ちがいい空間だろうとため息をついてしまいます。鎌倉駅から浄妙寺方面、報国寺を横目で見ながら通り過ぎた先の右手にあります。また、6月には紫陽花、11月中旬からは紅葉が見事です。

京都から移築された庭や建築。
月に数回の建物内の観覧は別途申し込み必要。
紐に結ばれた置き石は「この先立ち入り禁止」の意味。
御幸門。自然に溶け込み野趣に富んだ門。
かふぇ楊梅亭。外からも中からも眺め良し。
お抹茶と季節の実りを表現した生菓子のセット1,100円。
かふぇ楊梅亭内。建具・天井・襖紙など細部にもこだわりが。
席から見下ろす庭は奥まっている事もあってロマンチック。
美しいお茶室。こちらは観覧のみ。
手書きイラストを入れた案内図は英語版も。

他にも、気持ちのいい「あずまや」だったり、
秋には紅葉の小径となる滑川沿いなど見所がたっぷり。
庭のつくばいを使った水占いもイベント感があり楽しいです。
紅葉や紫陽花のシーズンだけではなく季節ごとに訪れたい、そんな名建築・名庭です。

恵観の水占い、200円。
入り口で1本包みを取って庭に進む。
御幸門を通り過ぎた右手の水の入ったつくばいに
白い用紙のみ浮かべると文字が浮き出てきます。

円覚寺・佛日庵

えんがくじ・ぶつにちあん

鎌倉時代後期に創建、鎌倉五山第2位の名寺。たくさんの見所があり、広い境内でいつ訪れてもゆったりと過ごせます。
北鎌倉駅前に位置し、アクセスも良いので立ち寄りやすく、境内に犬連れで入ることができる(建物以外)のでワンコとお散歩もできます。

12月から8:00〜16:00。30分クローズが早まるので紅葉を観に行く際は早めにどうぞ。

拝観料大人500円、子供200円。
修学旅行生がどっと入っても全く気にならない広さがある。
活けられた花に季節を感じて。
(2022/6月撮影)
佛日庵でゆったりお抹茶を。鳩サブレで有名な豊島屋の小鳩豆楽付き。
座席数が多く、屋外が気持ちがいい
春と秋は老若男女問わず快適。
修行僧の坐禅道場。他の建物でも定期的に法話会や座禅会、写教会を行っていて、広く門戸を開いている。
いつきても子供が遊んでいる光景に出会う。紫陽花の時期に
来た時は、修学旅行生が予定も返上、鬼ごっこをしていた。
方丈入り口。公開されていたらぜひ建物内へ。
方丈裏側。枯山水の庭と池が広がり、屋内のベンチに座って向こう側から景観を楽しめる。
別途100円かかりますが、日常に取り入れたくなる植栽を
楽しみながら散歩できる松嶺院。
10月桜を愛でていると墓地につながります。
作家・開高健さんの墓石にはウヰスキーが供えられていました。

ここまでご紹介してもお寺の歴史や見どころなど全く書ききれない円覚寺。
座禅会も気になります。
お寺にお抹茶を飲みに行くだけで、何か自分自身の世界が広がるような
そんな好奇心と高揚感を感じました。

ブックデザイナー。東京から湘南エリアに住まいを移して20年以上。 家族と犬で海のそばで暮らす毎日。 趣味:洋雑誌のビジュアルを見る、仕事をしながらのスイーツ 美しいと思うもの:猫の瞳孔、犬の濡れた鼻、夕暮れのビーチ



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