抹茶の次は「玉露」がブーム?鎌倉・逗子の本格的な日本茶体験ができる店

抹茶の次は「玉露」がブーム?鎌倉・逗子の本格的な日本茶体験ができる店

March 2025 Seasonal up date : 4

玉露は、茶葉を日光から遮って栽培することで、甘みや旨味が引き出す製法で知られる高級緑茶です。
その独特の風味と香りは、多くの日本茶愛好者を魅了しています。
最近、抹茶ブームに続き、次は玉露が注目を集めています。
鎌倉や逗子には、そんな玉露の茶葉のおいしさを堪能できる専門店が点在。
それぞれ店主の細やかなこだわりが光り、日本人も知らない楽しみ方を教えてくれます。
体も心も温まる、玉露体験のおすすめ店に行ってきました。

逗子茶寮 凛堂

ずしさりょう りんどう/逗子葉山駅

バターのような餡のモナカともう一品選べる。

「この間ね、日本茶のアフタヌーンティーに行ったのよ」
有閑マダムぞろいの犬仲間の中で逗子の情報通と名高いMさん。レクチャーの内容が充実していたから気にはなっているものの、しばらく行く機会が無かった模様。ならば今度お茶しに行こう、と二人で訪れてみました。

日頃サクッと食べに行く美味しい肉吸いの店(ざくろ←ここもおすすめ)などが入るビルなので、酒が飲める夜っぽい印象を持っていた場所ですが、店内に入るとゆったりとした別の時間が流れているかのよう。
今日はお菓子とお茶のセットを頼むことにしました。説明を受けてマスカットのような香りがするお茶と、お菓子を選びました。
上級者のMさんは玉露。

こちらのご主人はお茶の淹れ方の選手権で優勝したソムリエ資格も持っている方。
お茶を淹れるキレのある美しい所作や1滴に集中した真剣な眼差しに期待感が高まります。

私の1煎目は暖かいけれど熱くない温度で。
まろやかな味がして、フルーティーな風味がありました。

和菓子はお店の方の手作り。
季節感があり、定番のモナカは餡が乳酸系ということでコッテリしている風味が◎。

二煎目はワイングラスでサーブされました。
香りがより強く感じ、同じお茶なのに全く違う
飲み物のよう。

この辺りから煎茶のリラックス効果と温かさで体がポカポカしてきました。

ふと周りに目をやると赤ちゃんを連れた若いお母さんが一人でソファ席でくつろいでいたり、のんびりとした時間が流れています。
この雰囲気も茶道で楽しむお抹茶とは違うかもしれません。

3煎目はMさんの頼んだ玉露をつまみながらいただきました。玉露の茶葉は繊細な青菜のおひたしのようで美味。テクスチャーは菊の花に似ています。

ゆったりとした時間が流れる茶寮「凛堂」。今度は一人で本でも読みながら過ごしてもいいかもしれません。

3煎目。玉露の最後のお楽しみは茶葉を「おひたし」のようにしていただけること。
逗子茶寮 凛堂-rindo-
神奈川県逗子市逗子5-1-12カサハラビル逗子B-2F
営業時間
茶寮 12:00 ~ 16:30(LO.16:00)
BAR 17:30 ~ 24:00(LO.23:30)
不定休
046-870-3730
E-mail:rindo-zushi@outlook.jp

鎌倉倶楽部 茶寮小町

かまくらくらぶ さりょうこまち/鎌倉駅

鎌倉の若宮大路沿いの好立地にあるビル。
二の鳥居からすぐの脇道から建物の少し奥に入っていくと、プライベートな雰囲気を感じる茶寮があります。

こちらのお店でも、品質の高いお茶を最高のプレゼンテーションでいただけます。

特筆すべきは各地の作家ものの器や茶器、アクセサリーなどが充実していること。手頃な値段のものもあり、何か一つ買って帰りたいと思わせるラインナップです。
そして、お茶に合わせた甘味や軽食にも
こだわりがあって、カウンターの隣で別のものを頼んでいる他のお客さんへのご主人の説明が耳に入るのも一体感があって楽しいお店です。

店で飲めるお茶の葉や地域色を感じるオーガニックな食品なども。
日本の作家の茶器や皿。そんなに広いスペースではないけれど、見応えがあります。

この日は前回の凛堂ですっかりハマってしまった玉露と干菓子のセットを注文。

「雨が降ってきましたよ。」と店主。通り雨が降ってきたので雨が上がるのを私も含め、他のお客さんも待つ模様。
その間、それぞれの頼んだ品の説明が心地いい距離感で耳に入り、「静岡のおでん」だったり「金柑の甘味」だったり。店主による器の説明もL字のカウンターに座る全ての客に共有されて一人で行ったのに、数人分の頼んだもののストーリーを聞く、ほっこりした時間を過ごしました。

「雨がやんできたみたいですね」「もうそろそろ」ひとときの時間を共有した面々も解散です。

旨みと出汁海苔のような風味もある玉露。
3煎いただいたところで玉露の茶葉を用意していただきました。ポン酢と山椒の効いたとちの実(だったかな?)の粉添え。小鉢も素敵。
笠間焼きの小皿をゲット。細かい貫入がモダンさを感じる山崎さおり氏の作品。
鎌倉市小町2-10-19 二ノ鳥居ビル1階
11:00 ~ 22:30(LO 22:00)
定休日:木曜日
0467-23-1000
E-MAIL:tearoom@kamakura-club.co

https://kamakuraclub.thebase.in
オンラインショップも充実。

葉山 日の出園

地元の人も夏のかき氷を食べにいく、という目的でしか行ったことがない日の出園。
ここのほうじ茶や抹茶のかき氷、そして葉山ステーションにあるソフトクリームは絶品で、ここ葉山本店は、夏には行列ができるお茶の専門店です。

でも、よく考えてみたら甘味も充実しているしお茶の専門店なのできっと日本茶が充実しているだろうと冬のこの時期に行ってみました。

まず、空いた専用駐車場にツルッと駐車、店にも待たずの入店。夏にはこんなことないな。

2025年2月時点のメニュー。(時間の流れで変更もあるかと思います)

メニューを見て今まで気が付かなかったけれど
お値段が良心的です。
そういえば「かき氷」もその質に対して驚きの1000円でお釣りがくるお値段だっけと思い出します。
さすが地域に根ざしたお茶の専門店だけのことはあります。

今日はお茶菓子のついた煎茶のセットを玉露に変えてもらって注文してみました。

待っている間、お茶や食品やお菓子、お茶の道具が売っているあたりをウロウロ。
なんだか掘り出し物の宝庫の雰囲気がありますが後回しにして、運ばれてきたお茶を先に楽しみます。

ポットのお湯とお茶のセットのお盆が運ばれてきました。
お盆には左上から時計回りに湯冷まし、急須、羊羹、お茶碗。
煎茶道で使う湯冷まし、初めて自分で使います。ポットのお湯を左の湯冷ましに入れ、温度を調整してから茶葉の入った右の急須にお湯を入れます。(最初間違えてしまった・・・)

であっているかな??と。

ご同行いただいた人はお汁粉。一口味見をさせてもらったら、ぱらりとかかったアラレが甘いお汁粉と抜群に合って美味でした。

囲炉裏のあるテーブルもあり。雰囲気最高です。

帰る前に、掘り出し物があるオーラがすごい
茶道具のゾーンをチェック。

置かれている茶道具についての店主との楽しい会話、充実したお菓子などのお土産コーナー、お持ち帰りの抹茶や煎茶。お茶好きなら絶対楽しいスペースとラインナップでハマってしまった。

愛すべきお茶専門店。かき氷以外の季節も必ずリピートする確信を持っての帰宅となりました。いつまでも続いてほしい、自分にとっての名店です。

神奈川県三浦郡葉山町長柄1413-212
営業時間 10:00~19:00
(喫茶は11:00~18:00, L.O.17:00)
定休日 水曜日
046-875-5134

鎌倉茶房 茶凛

かまくらさぼう ちゃりん

鎌倉の小町通りから脇道に入った細い道。
その一番奥にある小さな茶寮、「茶凛」さんに天気のいい週末、犬連れで行ってきました。
寒い時や暑い時期の鎌倉で犬連れでもほっと一息つける貴重なお店です。

小町通りから外れただけで静かなこのあたり、
便利な場所ですが穴場感があります。

まだお昼時なので、空いていてうちの大きい犬がくつろげて他の客に迷惑がかからないスペースのあるカウンターに落ち着きました。



カウンターの下に半身潜っていられるので
お店の邪魔ではないことを祈る。
店内は気取りのない雰囲気。急須や茶碗など店で使用している用具が購入できる。

お店にはおそらく店主であろう感じのいい女性と、若いスタッフが切り盛りしていて家族的な雰囲気。

お茶のメニューを見ると先日鎌倉倶楽部茶寮小町で飲んだ「ごこう」の他にも数種玉露の種類があります。
せっかくですから同行者とそれぞれ、違う玉露を注文してみました。
お菓子は今日の生菓子から一つ選べますとのこと。お茶と合わせてシナモンの香る「わらび」というお菓子をチョイス。

お茶とお菓子が運ばれてきました。
玉露の海苔のような独特の香り、出汁のような旨味に同行者が驚くのが少し気持ちいい。

茶葉はあらかじめ急須に入った分と
追加して改めて飲める分と提供されるのがとても嬉しいポイント。ゆっくりとお茶を楽しめました。

茶葉を摘むもよし、和菓子とベアリングするもよし。他の客や店主との距離感もあるので
ゆっくり一緒に行った相手との時間を過ごせるお店でした。

その味とスイーツへのアプローチなどで華のある抹茶と比べるとまだまだ日本人にしか浸透していない煎茶の世界。実は今まで筆者も自宅で日本茶を飲む習慣がありませんでした。
でも、しっかりした茶房でいただくお茶には、その体験もイベントのよう。
すでにブーム到来の予感もあり、若い人のデートコースにもおすすめします。

日本茶でも特にお抹茶好きの方は以前投稿した「抹茶スイーツを鎌倉で。お抹茶の濃さも自慢の店。」がおすすめ。また、ご紹介した日の出園のかき氷やソフトクリームの情報「鎌倉〜葉山、暑さを乗り切るひんやり抹茶デザート〜かき氷など」「市場・朝市・道の駅へ。三浦ドライブの必見スポット」もぜひチェックしてみてください。

ブックデザイナー。東京から湘南エリアに住まいを移して20年以上。 家族と犬で海のそばで暮らす毎日。 趣味:洋雑誌のビジュアルを見る、仕事をしながらのスイーツ 美しいと思うもの:猫の瞳孔、犬の濡れた鼻、夕暮れのビーチ



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